土からはじまるお茶づくり

    清らかな水と豊かな土、
    そして人の技に恵まれて。
    本山の里は、まさにお茶の理想郷です。

    おいしいお茶が育つ産地とは、どのような環境なのでしょうか。
    まず、比較的冷涼な気候であること。次に、日照時間が適度であること。そして、一日の温度差(寒暖差)が大きいことです。
    これらの条件を満たすのが、川の流れる山あいの土地です。山の斜面が生み出す陰影が、茶園に差し込む日差しの時間を自然に調整し、気温にも大きな変化をもたらします。さらに、川から立ち昇る霧が薄いベールをかぶせたように茶園を包み込み、強い日差しをやわらかく和らげてくれます。

    このような環境で育まれたお茶の葉は、ゆっくりと柔らかに芽吹き、やがて類まれな香りと味わいを備えたお茶へと仕上がっていきます。しかし、良い茶葉をつくるうえで最も重要なのは、それを育てる人の技術です。茶の木の性質を見極め、必要な時に必要なだけ肥料を与えること。適切な時期に適切な整枝を施すこと。そして、最高のタイミングを逃さず摘み取ること。その一つひとつの作業が、茶農家にとって尽きることのない、永遠の課題なのです。

    最高のお茶は、土づくりから始まります。
    いかに良い生葉を育てるか」
    それこそが
    最大のテーマ。

    肥料をいかに少なく、有効に活かすか

    収穫した茶葉

    お茶は「製茶」という工程を経て完成する、特殊な農産物です。しかし、いかに製茶技術が優れていようとも、もととなる生葉の質が伴わなければ、それ以上の味わいを引き出すことはできません。
    佐藤製茶グループのお茶づくり全体を統括する茶師は、その本質を「いかによい生葉を育てるかが最大のテーマである」と言います。そして、最高の生葉を育てるために最も大切なことは「肥料をいかに少なく、いかに有効に活かすか」という考え方です。
    最高の味を追求した結果 、私たちは有機液体肥料をはじめとする、自然界に由来する有機質肥料を中心にした栽培管理を選択しました。自然環境をできる限り汚さないこと。その姿勢こそが、結果としてお茶本来の豊かな味わいにつながると、私たちは考えています。

    有機肥料を中心とした土づくりを何年も続けていく、やがて地中には多くのミミズがすむようになり、土壌は森の土のようにふかふかとした状態へと変わっていきます。そのような土で育つ茶樹は、きわめて健やかです。春には、自然そのもののうまみをたっぷりと蓄えた新芽が芽吹きます。
    肥料は、種類や量はもちろんのこと、施す時期によっても、その効果が大きく変わります。どのタイミングで、どの肥料を、どれだけ与えるか。その見極めこそが肝心です。
    とりわけ、効果が穏やかな有機肥料を最大限に活かすには、茶農家としての長期的な視野と経験、そして、一年を通じたきめ細かな世話が欠かせません。

    よい茶葉を育てるための、茶園の一年

    STEP
    肥培管理(摘採期~秋)

    生葉の質を決定づける、最も重要な工程です。
    梅の花が咲く頃から、穏やかに効く有機肥料の施用を始めます。一番茶の摘採後には、必要に応じて即効性の肥料を施し、次に芽吹く新芽の健やかな生育を促します。

    STEP
    整枝(夏)

    摘採後に行う整枝技術の良し悪しは、次に摘むニ番茶の出来はもちろん、翌春に芽吹く新芽の質にも大きく影響します。収穫後は、茶樹が夏の間を健やかに過ごせるよう、余分な葉を丁寧に刈り取り、樹勢を整えます。

    STEP
    防寒(冬)

    静岡の冬は、乾いた冷たい風が吹き、晴天の日が続きます。
    そのため茶園では、地面に藁を敷き、地温を適度に保ちながら、土壌が過度に乾燥しないよう細やかな管理を行います。

    STEP
    防霜(春)

    新芽が芽吹く頃は、遅霜の被害に最も神経をとがらせる時期です。
    茶園では霜よけの設備を施し、生まれたばかりの繊細な新芽を守ります。

    STEP
    摘採(初夏)

    新芽の「旬」は、ほんのわずかな期間です。
    最高のタイミングを見極めて収穫し、その摘み方ひとつで、お茶の味わいは大きく変わります。爪を立てず、一芯二葉をていねいに摘み取ることを基本としています。

    生葉が煎茶へ——その一杯ができるまで

    荒茶づくりから仕上げまで、
    職人の技が息づいています

    製茶職人の後ろ姿

    摘みたての生葉が、細くよれて旨みを凝縮した、私たちになじみ深いお茶に仕上がるまでには、数多くの手間と工程が重ねられています。製茶機械が進歩した現在においても、製茶工場には「茶師」と呼ばれる製茶職人の存在が欠かせません。

    製茶工程には、大きく二つの段階に分けられます。
    第一段階は、生葉を蒸し、揉み、保存に適した「荒茶」の状態へと仕上げる工程。
    第二段階は、その荒茶を必要な量だけ都度火入れし、商品としてのお茶に仕上げる工程です。

    一般的には、荒茶づくりは生産農家が担い、その荒茶を仕上げる役割を茶商が担います。しかし、農家であり茶商でもある私たち佐藤製茶グループでは、製茶の全工程を自社工場にて一貫して行い、最後まで責任をもってお茶づくりに向き合っています。

    その味わいを最終的に決定づけるのが、茶師の技です。
    茶葉が本来持つ個性を、いかに最大限に引き出すか。それが茶師たちの変わらぬテーマです。

    「料理と同じで、お茶も素材が命。よいお茶をつくるには、まず茶葉の特性を見極める目が必要です。結局は、人の勘に行き着くのです。」

    生葉の状態を見極めて、荒茶の質を左右する蒸し時間を調整すること。仕上げの火入れでは、加工する季節や時間帯に応じて、微妙に火加減を変えること。その一つひとつが、茶師の経験と感覚に委ねられています。

    「お茶の味、香り、水色、外観。いずれかを高めようとすると、必ずほかの要素に影響が出ます。だからこそ、茶師には自分なりの確かな基準が求められます。」

    私たちの製茶工場では、朝礼時に全員で鑑別 (利き茶)の訓練を行うことが恒例となっています。鑑別とは、茶葉の手触りや香り、外観、水色などから、そのお茶が持つ特性を見極めること。熟練した茶師ともなれば、産地や品種までも言い当てるほどの感覚を備えています。

    五感を研ぎ澄まし、日々多くのお茶に向き合いながら経験を重ね、自分なりのお茶づくりの基準と姿勢を培っていくこと。そうした積み重ねの先にこそ、よい茶師への道があります。

    私たちが目指しているのは、山のお茶ならではの、香り高いお茶です。同じ本山産のお茶でも、山奥でそだったものは特に香りがいい。これからも、その個性をより上手く活かしていきたいと考えています。

    利き茶をする茶師たち

    茶園からはじまる製茶

    佐藤製茶グループの茶師の仕事は、工場の中だけにとどまりません。
    本山の里に理想の茶葉を求め、契約農家のもとへ足を運び、栽培方法についてアドバイスしたり、味の観点から要望を伝えることも少なくありません。これも、生葉から包装までを自社で一貫製造体制だからこそ可能な取り組みです。

    長くご愛顧いただいているお客様ほど、わずかな味の変化に敏感です。茶葉の作況は年ごとに異なるため、できる限り一定の品質を保つことは、毎年苦心しています。」
    毎年同じ本山の産地から計画的に茶葉を確保することで、安定した”いつもの”をお届けできること。
    それもまた、一貫製造を続けてきた私たちならではの強みです。

    製茶の工程

    佐藤製茶では、荒茶づくりから仕上げ工程までを一貫して自社工場で行っています。
    荒茶製造は、通常では生産農家が担う工程ですが、私たちはこの工程も含め、製茶のすべてを自社で管理しています。

    STEP
    生葉

    摘み取った直後からすぐ変質が始まるため、速やかに荒茶へと加工されます。

    STEP
    蒸し

    加熱蒸気によって生葉の発酵を止めます。
    浅蒸しから深蒸しまで、蒸し時間を秒単位で調整します。

    STEP
    揉捻

    加圧しながら揉み込み、茶葉の水分を搾って均一にします。

    STEP
    精揉

    仕上げの揉み工程です。
    茶葉を細くより込み、形を整えながら乾燥させていきます。

    STEP
    乾燥

    水分量を5~6%程度まで乾燥させ、荒茶に仕上げます。
    この状態で冷蔵庫に保管されます。
    (仕上げ工程は、通常は茶商が担う工程です。)

    STEP
    再製

    細かな粉や茎などを丁寧に取り除き、茶葉の形を整えます。

    STEP
    火入れ

    お茶本来の香りを引き出すため、再度乾燥を施し、風味豊かなお茶に仕上げます。

    STEP
    品質管理

    香り・味・水色を最終的に茶師の手で確認し、品質に万全を期します。

     お気軽にお問合せください /

    マルカブ佐藤製茶株式会社
    〒421-1314
    静岡県静岡市葵区大原1057
    TEL:054-270-1231